QR コードの歴史
読み: きゅーあーるこーどのれきし
QR コードは 1994 年、デンソーウェーブ (当時はデンソーの一部門) の原昌宏氏を中心とするチームによって開発されました。トヨタ自動車の生産ラインで使われていた一次元バーコードでは、部品管理に必要な情報量を格納しきれないという課題を解決するために生まれた技術です。「QR」は Quick Response (素早い応答) の略で、高速読み取りを設計目標としていました。
1997 年に AIM International (自動認識工業会) の規格として承認され、2000 年に ISO/IEC 18004 として国際標準化されました。デンソーウェーブは QR コードの特許を保有していますが、特許権を行使しないことを宣言し、誰でも無料で利用できるオープンな技術として公開しました。この決断が QR コードの世界的な普及を決定づけました。
2000 年代には日本の携帯電話 (ガラケー) に QR コードリーダーが標準搭載され、日本国内で急速に普及しました。2010 年代には中国で WeChat Pay や Alipay が QR コード決済を展開し、キャッシュレス社会の基盤技術となりました。2017 年に Apple が iOS 11 の標準カメラアプリに QR コード読み取り機能を搭載したことで、世界中のスマートフォンユーザーが専用アプリなしに QR コードを利用できるようになりました。
2020 年のコロナ禍は QR コードの普及をさらに加速させました。非接触のメニュー、チケット、来訪者管理、健康証明書 (EU DCC) など、あらゆる場面で QR コードが採用されました。2027 年には GS1 QR コードへの移行が計画されており、レジのバーコードが QR コードに置き換わる次の大きな転換点が近づいています。