QR コードを使うときに知っておくべき法的注意点
「QR コード」は登録商標
「QR コード」はデンソーウェーブの登録商標です。ビジネス文書や Web サイトで「QR コード」という名称を使用する場合、厳密には「QR コードはデンソーウェーブの登録商標です」という注記を添えることが推奨されています。ただし、デンソーウェーブは QR コードの特許を無償で開放しており、 QR コードの生成・利用自体にライセンス料は発生しません。 2022 年改正の個人情報保護法では、個人データの漏洩時に個人情報保護委員会への報告が義務化され、 QR コード経由の情報収集にも厳格な対応が求められています
商標権の行使は名称の使用に対するものであり、技術の利用を制限するものではありません。自社の製品名やサービス名に「QR」を含める場合は商標上の注意が必要ですが、「QR コードを読み取ってください」のような一般的な使用は問題ありません。
個人情報の取り扱い
QR コードのリンク先で個人情報を収集する場合、 2022 年改正の個人情報保護法に基づく適切な対応が必要です。具体的には、利用目的の明示、本人の同意取得、安全管理措置の実施が求められます。 2022 年の改正個人情報保護法では、個人データの漏洩時に個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務化されました。
QR コードを使ったアンケートやキャンペーンで氏名、メールアドレス、電話番号を収集する場合は、フォームにプライバシーポリシーへのリンクを設置し、データの利用目的を明記してください。
景品表示法と QR コード
QR コードを使ったキャンペーンやクーポン配布では、景品表示法 (不当景品類及び不当表示防止法) に注意が必要です。「QR コードを読み取ると必ず当たる」と表示しておきながら実際には当選確率が極めて低い場合、有利誤認表示に該当する可能性があります。
景品の上限額にも規制があります。一般懸賞の場合、取引価額が 5,000 円未満なら一般懸賞の場合、景品の最高額は取引価額の 20 倍まで、 5,000 円以上なら 10 万円までです。 QR コードキャンペーンの設計時には、消費者庁のガイドラインを確認しておくことを推奨します。
不正利用への対策
公共の場に掲示された QR コードの上に偽の QR コードを貼り付け、フィッシングサイトへ誘導する手口 (QR フィッシング) が報告されています。店舗や自治体が QR コードを掲示する場合は、改ざん防止のためにステッカーの上から透明な保護フィルムを貼る、定期的に QR コードの動作を確認するなどの対策が有効。
企業が QR コードを配布する場合は、リンク先の URL に自社ドメインを使用し、短縮 URL サービスを経由しないことで、利用者が URL の正当性を確認しやすくなります。
著作権と QR コードのデザイン
QR コードの中央にロゴやイラストを配置するデザイン QR コードを作成する場合、使用する画像の著作権に注意が必要です。他社のロゴや著作物を無断で QR コードに埋め込むと、著作権侵害や商標権侵害に該当する可能性があります。
自社ロゴを使用する場合は問題ありませんが、フリー素材を使用する場合はライセンス条件を確認してください。商用利用不可の素材を商用の QR コードに使用するとライセンス違反になります。
QR コードの利用自体は自由ですが、周辺の法規制は意外と多岐にわたります。ビジネス法務の入門書で、商標、個人情報保護、景品表示法の基本を押さえておくと、トラブルを未然に防げます。