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バーコードとあの四角い模様、何が違うの? - 1 次元と 2 次元の世界

バーコードは「縞模様」、四角い模様は「碁盤の目」

スーパーやコンビニのレジで「ピッ」と読み取られるバーコードは、太さの異なる黒い線と白い隙間が横一列に並んだ「縞模様」です。情報は横方向にしか入っていないため「1 次元コード」と呼ばれます。一方、白黒の四角い模様は、縦と横の両方に情報が入った「2 次元コード」です。碁盤の目のように、マス目の 1 つ 1 つが白か黒かで情報を表現しています。

この違いは、情報量に直結します。バーコードが格納できるのは最大 20 文字程度の数字だけ。商品の識別番号 (JAN コード) を入れるのが精一杯です。四角い模様は最大 7,089 文字の数字、または 4,296 文字の英数字を格納でき、URL、連絡先、Wi-Fiパスワードなど、はるかに多くの情報を詰め込めます。

読み取り方がまったく違う

バーコードは「レーザースキャナー」で読み取ります。赤いレーザー光を横に走らせ、黒い線に当たると光が吸収され、白い隙間に当たると光が反射される。この反射パターンを数字に変換します。レーザーは横一方向にしか走らないため、バーコードの向きを合わせる必要があります。斜めにかざすと読み取れません。

四角い模様は「カメラ」で読み取ります。模様全体を一度に撮影し、画像処理ソフトが白と黒のマスを解析します。3 つの隅にある大きな四角い目印 (ファインダーパターン) のおかげで、斜めからでも逆さまからでも読み取れます。スマホのカメラで読み取れるのは、この仕組みのおかげです。バーコードをスマホで読み取るのは難しいですが、四角い模様なら一瞬です。

バーコードが今でも使われ続ける理由

四角い模様の方が優れているなら、なぜバーコードはなくならないのでしょうか。理由は 3 つあります。第 1 に、既存のインフラです。世界中のスーパー、コンビニ、倉庫に設置されたバーコードリーダーは数億台に達します。これをすべて入れ替えるのは現実的ではありません。

第 2 に、バーコードで十分な場面が多いことです。商品の識別番号 (13 桁の数字) を読み取るだけなら、バーコードで事足ります。第 3 に、印刷コストです。バーコードは横に細長いため、商品パッケージの狭いスペースにも収まります。四角い模様は正方形なので、同じ情報量でもより広いスペースが必要です。つまり、バーコードと四角い模様は「競合」ではなく「役割分担」の関係にあるのです。

身の回りで探してみよう - どこにどちらがある?

バーコードと四角い模様は、実は身の回りのいたるところにあります。探してみましょう。バーコードは、食品や飲料のパッケージ、本の裏表紙 (ISBN コード)、宅配便の伝票、図書館の本に貼られたラベルに見つかります。

四角い模様は、レストランのテーブル (メニュー表示用)、電車の広告、名刺、イベントのチケット、商品のパッケージ (詳細情報へのリンク) に見つかります。面白いのは、同じ商品に両方が印刷されていることがあることです。バーコードはレジでの会計用、四角い模様は消費者が詳細情報を見るため。1 つの商品で 2 つの技術が共存しています。

未来はどうなる? - GS1 デジタルリンクの登場

バーコードと四角い模様の「役割分担」を 1 つに統合しようという動きがあります。GS1 デジタルリンクという規格で、四角い模様の中にバーコードと同じ商品識別番号を URL 形式で格納します。レジのスキャナーは商品番号として読み取り、消費者のスマホは URL として読み取る。1 つのコードで 2 つの役割を果たせるのです。

この規格が普及すれば、将来的にはバーコードが四角い模様に置き換わる可能性があります。ただし、世界中のレジシステムの更新には 10-20 年かかると予想されており、バーコードが完全に消えるのはまだ先の話です。今は 2 つの技術が共存する過渡期にあります。