Qraft (クラフト)

SQRC

読み: エスキューアールシー

SQRC は、デンソーウェーブが開発したセキュリティ機能を備えた QR コードの派生規格です。見た目は通常の QR コードと同じですが、内部に公開領域と非公開領域の 2 つのデータ領域を持ちます。通常のスキャナーでは公開データのみが読み取られ、専用リーダーでのみ非公開データにアクセスできます。

偽造防止が求められるチケット、社員証、会員証、製品の真贋判定などに活用されています。非公開データは専用リーダーの鍵がなければ読み取れないため、相手ごとに開示する情報を分けられます。ただしシンボルの画像そのものは通常の QR コードと同じように複写できるため、SQRC は複製そのものを防ぐ仕組みではありません。デンソーウェーブも読み取り制限機能であると位置づけ、コードデータのセキュリティ性を保証するものではないと明記しています。真贋判定に用いる場合は、非公開データをサーバー側の台帳と照合するなど別の仕組みと組み合わせる必要があります。

導入で最初に決まるのは、読み取り側の機器を運用者が管理下に置けるかどうかです。非公開領域を読むには鍵情報を設定した対応リーダーが必要で、一般の利用者が手元のスマートフォンで非公開領域を確かめることはできません。そのため社内の資産管理や工程管理、入場ゲートのように読み取り機を配備できる閉じた運用に向き、消費者が自分の端末で真贋を判断する用途には向きません。鍵を持つリーダーそのものが持ち出されれば非公開領域は読めてしまうため、機器の台数管理と持ち出しの記録が運用の要になります。設計としては、公開領域には商品ページの URL や品番のように誰が読んでも差し支えのない情報だけを置き、非公開領域には社内で照合するための識別子を持たせます。外部に見せる導線を公開領域だけで完結させておけば、専用リーダーを持たない相手にも同じコードをそのまま配布できます。