ディファードディープリンク
読み: でぃふぁーどでぃーぷりんく
ディファードディープリンクは、ユーザーがリンクをタップした時点でアプリがインストールされていない場合、App Store / Google Play に誘導してインストールを促し、インストール完了後に元のリンク先 (アプリ内の特定画面) に自動的に遷移させる技術です。通常のディープリンクはアプリがインストール済みの場合にのみ機能しますが、ディファードディープリンクは未インストールのケースもカバーします。
QR コードとの組み合わせで典型的なのは、商品パッケージの QR コードをスキャンすると、アプリの商品詳細画面に直接遷移するケースです。アプリがインストール済みなら即座に商品画面が開き、未インストールならストアでインストール後に同じ商品画面が開きます。QR コードをスキャンした文脈 (どの商品を見ていたか) がインストールプロセスを跨いで保持される点が核心です。
実装には Branch、AppsFlyer、Adjust などのサービスが使われます。QR コードに格納する URL をこれらのサービス経由にすることで、ディファードディープリンクが自動的に処理されます。かつて広く使われた Firebase Dynamic Links は 2025 年 8 月 25 日にサービス終了しており、発行済みのリンクも解決されないため、新規実装の選択肢にはなりません。アプリがインストール済みの場合の画面遷移だけであれば、Android の App Links と iOS の Universal Links という OS 標準の仕組みで自前運用できますが、インストールを跨いだ文脈の復元はこれらの標準機構だけでは行えず、他社サービスか自前のインストール後照合が必要です。
インストール後に文脈が復元されるかどうかは確実ではありません。iOS では Web 側でクリップボードに書き込んだトークンをアプリが初回起動時に読み取る方式が使われますが、iOS 16 以降はクリップボードを読むと貼り付けを許可するかの確認ダイアログが表示され、ユーザーが拒否した場合は復元できません。IP アドレスや端末情報の組み合わせから推定する確率的な照合も併用されますが、App Tracking Transparency 導入後の iOS では精度が落ちており、Apple も同意に基づかない照合を推奨していません。QR コードからの導線を設計するときは、復元に失敗した場合に通常のホーム画面やオンボーディングへ素直に着地させるフォールバックを併せて用意しておきます。